2010年10月

2010年10月20日

即興詩 †永遠に連なる一瞬に†

 夜に怯えた魂達よ
 偽りのメロディ壊す時が来た
 静かなるざわめき
 パンドラの底の底

 失う事恐れて
 口つぐんだ金糸雀は
 徒に時過ごし
 未だ夜に怯えてる

 さあ 選べ
 まやかしの安息か
 苦痛の真実か
 さあ選べ
 選択の時だ
 鈴の音に急かされて
 怠惰な時はもう終わり
 目を閉じる事叶わない

 さあ 選べ


 交錯する一瞬に見たものは
 解放か絶望か
 今はもう解らない けど
 涙が勝手に溢れ出す

 嗚呼…

 燃える 燃えるよ 身体が燃える
 心も燃やす紅蓮の焔
 燃える 燃えるよ 私が燃える
 全てを燃やす情念の炎

 森ごと包む紅の舌
 はぜる焔は私の心
 拘り棄てれば他人事で
 まるで感無き遠い世界

 嗚呼…

 朝が来る
 空がうっすらほのめいて
 一日の始まりを指し示す
 だけど私に朝は来ない

 燃えるよ燃える 全てが燃える
 全て燃やして焼き尽くせ
 全て拒めば同じ事
 全ては一瞬のその中に

ru_ci_fel at 07:55|PermalinkComments(0)†詩歌遊戯† 

2010年10月19日

即興詩 †お伽草子†

 不思議の国の夜が来る
 お伽の国の夜が来る
 お喋り蛇が騒ぎだし
 森の梢が息を付く

 軋んだ歯車回しましょう
 壊れた時を紡ぎましょう
 狂った世界彩って
 歪んだ夜に踊りましょう

 野苺を食べりゃあ夢の中
 石榴を食べりゃあ水の中
 林檎を食べりゃあ雲の上
 葡萄を食べりゃあ山の上

 柊達が躍りだし
 薔薇は優雅にお茶会を
 杉は丹念に身繕い
 銀杏はこっそりかくれんぼ

 蔓はズルズル伸び続け
 イバラの迷路に誘い込む
 世界はグルグル回りだし
 まるで不思議な万華鏡

 鼠を乗せた梟が
 そっと欠伸を噛み殺す頃
 歯車そろそろ疲れだし
 ゆるりと動きもにぶりだす

 世界を包むびろぅどの
 端から光が漏れ始め
 木々達ゾロゾロ帰途に付き
 終わりをそっと偲ばせる

 不思議の国の夜が明ける
 お伽の国の夜が終わる
 不思議の影はなり潜め
 時が再び流れ出す

ru_ci_fel at 07:57|PermalinkComments(0)†詩歌遊戯† 

2010年10月07日

即興歌 †荒野と紅†

 紅(くれない)の風が駆けてゆく
 死の香りを抱(いだ)いたままで
 果て無き荒野のその果てに
 一体何を届けるか

 とーおりゃんせ~ とおりゃんせ~
 死出の国へととおりゃんせ~

 常世を目指すか武士(もののふ)共よ
 棺の中でも剣携えて
 一体何と戦うか
 一体何を願うか

 理想という名の幻想に
 踊らせられて乗せられて
 常世を目指すか武士共よ
 墓場の先まで剣持って

 とーおりゃんせ~ とおりゃんせ~
 死出の国へととおりゃんせ~

 紅だけが駆け巡る
 荒野に佇む少女が一人
 髑髏(どくろ)の山に腰掛けて
 まるで関心無い様で

 果たして女神か魔女か
 武士共は知らねど
 ここは彼女の大地
 彼女の統べる死の荒野

 とーおりゃんせ~ とおりゃんせ~
 死出の国へととおりゃんせ~

 戦え戦え武士共よ
 少女を求めて楽園求め
 戦い続ける武士共に
 プルートゥーの祝福を!


 とーおりゃんせ~ とおりゃんせ~
 死出の国へととおりゃんせ~
 死の翳りを孕んで!

 とーおりゃんせ~ とおりゃんせ~
 災いだけを招いて!

 とーおりゃんせ~ とおりゃんせ~
 死の香りに包まれて!

 とーおりゃんせ~ とおりゃんせ~
 禍(わざわい)だけを呼び寄せて!

 とーおりゃんせ~ とおりゃんせ~
 マリオネットは気付かない

 とーおりゃんせ~ とおりゃんせ~
 死出の国へととおりゃんせ!




-+-+-+-+-+-+-+-+-

 久々にメロディ先行。
 あの有名なとおりゃんせの曲調ではありません(^^;

ru_ci_fel at 08:02|PermalinkComments(0)†詩歌遊戯† 

2010年10月01日

即興歌 †マリオネット†

 可哀想なマリオネット
 何にも知らされないままに
 可哀想なマリオネット
 何にも選ばせられぬままに

 物の道理も知らされず
 善悪さえも知らされず
 判断する術判らない
 可愛く無知なお人形

 可哀想なマリオネット
 何にも与えられぬままに
 可哀想なマリオネット
 何にも理解できぬままに

 やがて彼女は従順に
 定められたるままに
 与えられたる役割に
 知らずに従っていく

 可哀想なマリオネット
 無知な事さえ隠されて
 可哀想なマリオネット
 無知な事だけ強いられて

 やがて彼女は知らぬまま
 全ての罪を着せられて
 生け贄の羊にさせられる
 クニの礎となるために

 可哀想なマリオネット
 可愛い可愛いお人形
 可哀想なマリオネット
 無知で無垢なるお人形

 それでも彼女は愛された
 彼女はあくまで愛らしく
 全てはまつりごとの裏で
 仕組まれたただの生け贄

 可哀想なマリオネット
 生まれる前から決められた
 可哀想なマリオネット
 憐れな哀れなお人形

 やがて彼女の墓前には
 一面薔薇が植えられた
 彼女の愛したオレンジを
 無邪気の象徴オレンジを

 けれど何故かその薔薇は
 決して決して花咲かぬ
 何度やっても同じこと
 涙のように散るだけで

 やがて国中悲しんで
 彼女のために喪に服す
 黒い宝石身につけて
 彼女のために泣いている

ru_ci_fel at 08:18|PermalinkComments(0)†詩歌遊戯†